Scribble at 2025-06-25 20:23:14 Last modified: unmodified
"diffusion model" という用語は昔からあるんだけど、arXiv で論文を調べていると、特に2010年代(stable diffusion がリリースされる、わずか10年前)には、殆どの論文がソーシャル・ネットワークの分析に拡散モデルを利用していたことが分かる。統計力学のモデルは統計的な挙動の分析なのだから、大規模なデータとして捕捉される集団という対象にも応用できるのは当たり前だよね。こういう色々な分野とか場面に応用できるのが数学の強さであり面白さなのだけど、こういう抽象性の利点や面白さは、お仕着せの状況で教えられた公式を当てはめるしか能が無い受験秀才にはわからないことなんだ。逆に、こういうことと実質的に同じ理解で一つのスキームを色々な分野に当てはめているのは誰かと言うと、実はヤクザとか詐欺師なんだよね。もちろん僕は彼らについて何の弁護も正当化もするつもりはないけれど、彼らの「ずる賢さ」というのは簡単に否定したり軽蔑するだけで片付けられることではないんだよ。
これはマスコミでオーバーに語られすぎている事例が多くて実情とは違うと思うけれど、ヤクザの中には知能だけで言えば東大に入ってもおかしくない人がいるわけで、やっていることや外見や生まれ育ちだけではわからないことではある。もう少し卑近な事例を言えば、たいていの人は「芸能人」の多くは漫才師のような落ちこぼれやチンピラ、あるいはアイドルのように田舎の不良女子高生だと思っているだろう。実際、アイドルの殆どが地元の話をしたがらないし、地元に行くような旅番組とかに殆ど出ないのは、そういう事情があると言われている。なんなら、清純派アイドルとかが地元に帰ったら(中学教師もふくめて)セフレや元彼だらけってのも困るわけだよね。avex とか坂道シリーズとかホリプロとかにしてみれば。それでも、地元から出てきていろんなところで芸能人の過去を吹聴するやつはいて、いまだと YouTube とかで暴露するようなやつまでいるんだろう。でも、最近はそういうこともなくなってきてる。良し悪しの評価はあるだろうけど、秋元康らのおかげで後ろめたい事情がまるでない、まさしく「普通の女の子」がどんどんアイドルになる時代になったからだ。実際、昔は芸能界へ行くなんて行ったら勘当されてたわけで、興行界なんてまともな人間が行くような世界じゃなかったんだよな。美空ひばりや坂本九がどれほど偉大であっても、それは自分たちとは関わりのない違う世界の人間だからであって、テレビの中、あるいはせいぜい舞台の上に立ってる人間だからだ。でも、いまはそうじゃない。なんなら「上流階級」と呼ばれている国家官僚の子息ですら、嵐だの、美容タレントだの、あるいは竹下登の孫だのと芸能界に入る時代だ(まぁこういう世界にも、色々な人脈とか巨大な利権があるからなんだけどね)。
ということで、いまや芸能人だからといっても構成員はさまがわりしている。自民党の政治家になってるアイドルも多くいるし、アイドルをやりながら大学院の博士課程に通う人もいるし、スポーツの選手を兼ねていたり、各種団体の理事になってたりする。資格試験を短期間で、それこそアイドルやお笑いの仕事で忙殺されながら取得している人も多いわけで、こんなの芸能人だからといって特別枠で資格がもらえたりするわけじゃないんで(所属事務所と関係なくプライベートで受験してることが多いから、素性なんて誰も知らない)、彼らが実際に優秀だという証拠だろう。MarkupDancing でも書いたことだが、漫才のロザンの宇治原くんは僕の母校(大阪教育大学附属高校天王寺校舎)の後輩で京大卒だ。というか、こういう学歴がなくても後からいくらでも資格をとったり大学に入り直したりしている優秀な人は増えている。もはや、芸能人やお笑いだからといって、君らよりも馬鹿だとか学歴がないとは限らないのだ。